コラム

見出し ニコンFの悲劇
更新時間 2005/01/14 名前 よねやん
本文  とにかく最近のキヤノンは元気がいい。この年末もデジカメやプリンタが飛ぶように売れたらしい。アテネ五輪のプロ用カメラではニコンを制し、キヤノンの地歩を確固たるものにした。

 気になる業績も、「絶好調」以外の言葉が見当たらないらしい。この冬のボーナスでは過去の労使交渉の値幅制限に引っかかり、思ったほど上がらなかった話を新聞で読んだ。業績悪化を考慮した値幅制限であるが、皮肉にも今回は想定外の上限に引っかかったらしい。

 周りもキヤノンを購入する人が多い。ニコンの機材一式を下取りに出し、キヤノンに「オール・リセット」した人を何人も見てきた。

 子供の頃からニコン一辺倒の私としては、寂しい出来事でしかない。ただ、公平に見てもデジタルに関してはキヤノンが圧勝なので仕方がない。まさに今は「キヤノンバブル」状態、ニコンがいかように頑張っても太刀打ちできないのが事実であろう。

 子供のころ、情勢は異なった。かの名機ニコンFの時代である。大卒初任給の4倍もする高級品が飛ぶように売れ、ニコンはひたすらカメラを作り続けた。ようするに「ニコンバブル」の状態である。それほどの高級品が当時、値引きも無しで売られていたのだから、ニコンマンは笑いが止まらなかったであろう。  そのころ、キヤノンは苦渋をなめながら企業として多角化の道を探っていた。その結果として、キヤノンは総合的な技術を必要とする、デジカメの分野で大きな花を咲かせることができた。 今、考えると当時のニコンは「ニコンバブル」では無く、「ニコンFの悲劇」言うほうが適切であろう。

 「今年はリベンジの年です」

 知り合いのニコンマンが言った。明らかに「オール・リセット」が済んだその瞳の奥には、自信に満ちた何かを感じることができた。ニコン派の私としては期待したところである。