コラム

見出し 大リーグボール養成レンズ
更新時間 2006/02/26 名前 よねやん
本文 <大リーグボール養成レンズ>

◇マンガ・巨人の星に出てくる「大リーグボール養成ギブス」をご存知だろうか。ギブスというのは骨折したときに患部が動かないように固定するものだが、なぜか巨人の星では全身にバネを縛り付け、筋肉を痛めつけるという代物をギブスと定義している。要するに筋力をUPして魔球(大リーグボール)を編み出すための道具である。マンガでは主人公の星雄馬がこれを日常生活で身につけ、つらい生活を強いられつつ身体能力をUPさせるという設定である。ちょうどこのころ腕の筋肉を強化するエキスパンダが全国的に流行していて、これを「大リーグボール養成ギブス」と見立てて筆者も遊んだものである。エキスパンダとは数本のバネを腕の力で引っ張り筋力UPを計る健康器具である。このなんちゃって「大リーグボール養成ギブス」にはオチがあり、体に結びつけるまでは良いのだが、引っ張った後にバネの隙間に体の肉が挟まり痛くてとても使えたものではないのである。マンガの星雄馬も同じような使い方をしているわけであるが、なぜか肉が挟まらない。

◇さて写真の話である。読者は作品を撮る場合、広角レンズと望遠レンズとではどちらが好みだろうか?一般的には広角レンズの方が人気が高いと言われている。ブレにくくピントが合わせやすいのが好まれる理由の一つである。「いや、独特の画角が好きな理由です」という人もいるだろうが、撮り易いという理由は必ず根底にあるだろう。そのように扱いやすい広角レンズであるが、人によっては「ワシは広角しか撮らん!」と言って、ライカのカメラ(ライカには基本的に望遠レンズがありません)などに固執する人がいる。確かに望遠レンズは扱いにくい。すぐにブレるしピンとは合わせにくい。重いし値段は高いし、一部分しか写し出せない。それよりはライカなどに没頭し「**の広角レンズは描写がすばらしい」などと写真道にのめり込む方が趣味としては楽しいに違いない。  ただし、望遠レンズも大きく撮ったり、バックをぼかして被写体を強調したり、広角レンズにはないメリットも多い。ただし難しいという問題はあるが、最近ではオートフォーカスも精度が良く、デジカメであれば高感度なので高速シャッターが切れてブレも少ないので難易度は下がってきていると言える。

◇ここで視点を変えよう。写真をうまくなるにはどのレンズで撮れば良いか?これは間違いなく望遠レンズなのである。扱いにくく切り取った画角なので表現が難しいのであるがそれが勉強になるのである。あえて難しいレンズを扱えば、簡単な広角レンズも扱えるというわけだ。ようするに望遠レンズは「大リーグボール養成レンズ」のようなもので、写真がうまくなりたければ避けては通れない道なのである。それを避けて広角レンズ派に出家した人は望遠レンズが扱えずに写真道を語るしかないのだ。趣味の世界であればそれも正解であろう。ただ少しでも写真がうまくなりたい読者には、この「大リーグボール養成レンズ」を持ってスポーツなどを撮りに行くことをお勧めする。