コラム

見出し 魔法のレンズ
更新時間 2006/06/29 名前 よねやん
本文 ◇ニコンの18?200ミリF5.6というレンズが半年ほど前に発売され購入した。 ニコンカメラ販売の話によると、このレンズは空前の大ヒットとなり発売後半年経った 現在でも3ヶ月以上待たないと手に入らないという。 生産性を上げるために現在はタイのニコンの工場で組み立てているとのこと。 ちなみに筆者のレンズは初期ロットのみに存在した貴重な日本製である。 販売価格が8万円前後と一般的に使うには少々高めだがこれ一本で大体のものが撮れる。 デジタルカメラ専用の最新設計なので画像のキレも良い。

◇このレンズの特徴はF5.6と明るいこと。これまでこの焦点距離のレンズはサード パーティから何本か出ていたがどれもF6.3で半絞り暗いのが欠点だった (ちなみにF6.3というのはカメラのAFが作動する最低限の明るさ)。 それとブレ防止装置を搭載しシャッター速度で4段分手ブレを起こしにくいということだ。 たとえば200ミリで手持ち撮影をする場合、 通常なら250分の1秒くらいで切るのが普通だろう。 これがこのレンズだと15分の1秒で切ってもブレないことになる。

◇最初、筆者は旅行などを1本で済ませられるお手軽レンズのつもりで購入した。 実際に使ってみるとこれまでに無い作品が撮れるので少々驚いている。 とにかく常識では考えられないものが使い方次第で撮れてしまう魔法のレンズなのだ。

◇たとえばスポーツ写真を撮る場合、通常なら1台目のカメラに300?600ミリ くらいの単焦点の望遠レンズを使用する。小さく選手を撮っても迫力がないからだ。 2台目は状況によって変わるが18?35ミリのショートズームを付けたり80?200ミリの 望遠レンズを付けたりする。2台目は狙いにより違ってくるのだ。この選択が実に悩ましい。 想定外のことが起きて急遽レンズを付け替える場合も多い。 これが18?200ミリであれば問題が解決する。

◇また、ブレ防止装置は予想外の効果を生む。手持ちの撮影はせいぜい30分の1秒 程度が限界であったが、魔法のレンズを使うと8分の1秒が可能になる。 これは撮影会での作品であるが傘をモデルに回してもらい8分の1秒で切るとこのような 不思議な作品が出来上がる。三脚撮影禁止の多いモデル撮影会では従来撮れなかった作品である。
グルグル傘の回った作品

◇更に電カメ+魔法のレンズの組み合わせで暗い場所での撮影が簡単になる。 次は東京都内の撮影だが、非常に暗い場所で通常は明るいレンズを使うのだが、 それだとピントが浅くなりエスカレータの奥行き感が出ない。 そこで電カメで感度をISO1600に上げ魔法のレンズで絞りをF8位にまで 絞って撮影するとこのような作品になる。もちろん三脚は使わない。 シャッター速度は20分の1になる。それでもブレないで撮影できる。

三脚なしでこれが撮れるのはスゴイ

◇「レンズは単焦点、ブレ防止に頼るより三脚が基本」などと揶揄(やゆ) されるかも知れないが、写真は結果がすべてだ。 最新の機材を駆使して創り出す作品は非常に面白く否定できない。 旧い撮影スタイルも良いと思うが、あまりに保守的になるのもいかがなものかと思う。 ボーナスシーズンにまもなく突入、あなたも8万円さえ出せば魔法使いになれるかも知れない。