コラム

見出し 恐るべし家元制度
更新時間 2008/01/22 名前 よねやん
本文 ◇今回は家元制度について考えてみたいと思う。写真とは無縁のように感じられるが、実は違う。その理由を筆者なりに述べてみるとしよう。

◇少し変わっていた筆者は学生のころ、長唄三味線をやっていた。長唄の世界では唄う人と三味線を弾く専門に通常は分かれる(唄方と三味線方という)。筆者は三味線方の師匠について習っていたので、三味線がメインだ。練習量の多さや頭の柔軟さが幸いして、学生は上達が早いのであるが、いろいろ問題も発生する。

◇最大の問題はコストだ。その師匠の主催する演奏会というのが2年に1度くらいあり、若くて上手な学生たちは是非出演するように強く勧誘される。師匠が「うちの弟子たちはレベルが高い」と対外的に誇示するため、平均点を上げてくれる学生は都合が良いのだ。出演だけなら問題ないのだが、家元を呼ぶと1曲演奏するだけで普通はなんと50万円ほど費用が必要になる。学生の身分が考慮されても20万円ほどかかる。筆者も断りきれずに1度だけ出たことがあるが、夏休みのアルバイト代が1曲で消えてしまった。

◇社会経験を積んだ現在、総合的に考えてみると、高い金を払い、広告塔に使われ、「出演して勉強になりました」まで言わされ、こんなバカな話は無いと思う。社会に出ると自分でお金を出す以上、そのメリットについて考えるのが当たり前だ。結局、邦楽は今でも好きであるが、ゴジャゴジャしたことが嫌いなので社会人になった事を機にやめてしまった。「名取りになるのに**万円」、「教える資格が**万円」といまだに払い続けている仲間もいる。

◇本題に入ると、日本人の写真好きは世界一だと言われている。20人くらいの写真クラブが全国に沢山ある。その小グループで仲良く旅行だ、作品展だと活動するのであるが2?3年もするとマンネリ化してきて、「有名写真家を例会に呼びたい」「立派な会報誌を出したい」「活動を新聞や雑誌でアピールしたい」などという要望が出てくる。しかし、小団体で出来ることは知れている。そこで打開策が大きな写真連盟にグループごと所属するということなのだ。●●写真連盟●●支部というようなカンバンが数千円の年会費で手に入る。支部として立派な会報に紹介されるし、写真家の先生と接する機会もできる。まとめ役は支部長という立派な肩書きができる。連盟によってはちょっと写真のうまい会員に対して立派な肩書きがつき、それを良いことに写真家を名乗る人もいる。逆に肩書きを得るために支部の活動に励み、本部にヘコヘコする人だって出てくる。もうそうなったら写真を楽しむ世界から逸脱し、組織運営を楽しむ世界に入ると思うのだがそれが現実だ。写真連盟としても、のれん代と会員の増加というメリットがあるし、この組織の形態は実によくできている。大きな連盟は大体このような組織運営を行っているところが多い。

◇この形態は実に家元制度に似ている。当てはめると本部が家元で、支部長が教室の師匠ということになる。古くから続いてきた家元制度は組織運営の面で言うと一つの優れたシステムで、それに似た運営の写真連盟が伸びていることは非常に面白い。

◇読売新聞社が立ち上げた読売写真クラブ(YPC)は少し変わっていて、 例会の度に本部(読売写真大賞事務局員)が出向いて審査を行い、 紙面掲載のための原稿を書き、直接会員と交流を行う。 写真の上達や対話にはベストな方法だと思うのだが、地方へ例会のたびに出向くのが 大変なことと、支部の数を急激に増やせないというデメリットもある。 各県ごとに大体1つのYPCがある。人口の多い東京だと5?10団体のYPCがあっても良さそうなものだが、 読売写真大賞事務局員が十分なケアをできないので増やせないという事情がある。 ●●写真連盟の場合は1つの県内にたくさん支部があり、 基本的に例会は勝手にやってくださいというスタンスだ。 YPCも家元制度に見習って運営をすれば組織を大きくできるのであるが、 会員と直接対話をしたいという、いかにも読売らしい非効率なシステムなのだ。

◇春には念願だった東北を中心に4つのYPCが立ち上がる予定だ。 これで東北地方のすべての県にYPCができることになる。 当然「人手が足りない」と危惧しているわけだが、ただ「頑張れ」 としか言われないこともいつもと同じで読売らしい。

本日は年末にかけて撮ったスケッチを披露する。


青山の岡本太郎記念館で、あまり知られていないが撮影は自由。きっと変わった作品が撮れるだろう。


養女だった岡本敏子さんの写真も飾られている。


東京モーターショーのボッシュのブースでバーチャル体験を行なう来場者。
当人たちは真剣なのだが周りから見るとかなりマヌケに見える。お構いなく仕事を遂行するコンパニオンがマヌケさを加速させる。



東京駅新幹線ホームで。待機時間が数分しか無い列車の清掃は人海戦術で行なう。


西新宿に建設中のモード学園の校舎、変わった形なのでひときわ目立つ。