コラム

見出し 作品への理解
更新時間 2008/05/25 名前 よねやん
本文 ◇写真セミナーには根強い人気がある。特に「デジタルカメラ**」「プリンタ**」 と題せば大勢の受講者が集まる。ただし1000円でも受講料をとると急に客足が鈍るそうである。よって基本的には無料ということになるが、それでもメリットが出るのはカメラメーカー、プリンタメーカーということになる。つまり無料で機材を使ってもらってユーザーを獲得する作戦なのだ。「タダほど高い・・・」という言葉があるが、常識として本音を聞くことは最初から諦めたほうが良い。例えば、C社のセミナーではC社の良いことしか言わないし、N社でも同様の流れになる。

◇またメーカーのセミナーでは「講師が写真を知らない」という問題もある。 例えば、プリンタメーカーの場合は、画像データから美しい印刷物にする過程を細か く教えてくれるが、撮るまでの過程つまり「レンズ前」を知らないので、最終出力の 時点でのトリミングや色味の調整で作品への理解が足りない場合がよくある。 一つの例としてセミナーで「とにかく良い画質で撮って出力してください」と 言われるのであるが、撮り手の事情で悪い画質で撮らざるを得ない場合だってある のにそれが理解できていない。受講者にしてみれば、撮ったデジタルデータを綺麗に出 力する方法を丁寧に教えてくれるだけでも有り難いセミナーなのであるが、 少し物足りない部分もあるのだ。だが、写真についてカメラの構造から撮り方、 出力の仕方まで完璧に教えられるスーパー講師なんているはずもないのである から仕方のない話だ。(ただしN社だけは変わっていて、そういう事情を知ってか、 講師が写真家レベルのレンズ前を知っている人が多い。ここのセミナーはお勧めだ。)

◇先日、東日本YPC連合展を新宿・ニコンサロンbisで行った。 この作品展で毎回プリントをお願いしている業者のIさんは作品への理解が深いので驚く。 このIさんにプリントを依頼すると「この作品は作者の意図が多分こうなので、 全体の色味はこうで、この部分を明るくしました」などと作品を理解して 素晴らしいプリントに仕上げてくる。当然感性は人それぞれなのでプリントチェックで 焼き直す場合もあるが、一応Iさんの考えで最高のものを提供してくれる。 これが筆者から見ると職人的で非常に気持ちが良いのだ。ただし商売が難しいと思うのは、 Iさんの考えで、作者に「こういう感じに仕上げた方が良いですよ」 提案した時に意見が対立することもまれにある。かえって作品への理解がなく、 言われた通りにハイハイと従っている業者のウケが良い場合もある。

◇筆者は月に3回くらいは写真セミナーで講師を務めるが、別にメーカーの宣伝をする 必要もないので自分で感じたことを好き勝手に話している。誰に教わるでもないが、 幸いにも、「分野に関係なく何でも撮る」「パソコンを使いこなす」 「プリントを仕上げる」「写真展で発表する」「写真に原稿を付ける」 など何でも屋のように仕事をやらされているので、一通りの事は話せるつもりだ。 デジタルカメラをはじめ、機材の管理や清掃方法、人物や風景の撮り方など何でもやる。 今週は山梨でセミナーを行う。先方の要求は「デジタルカメラ教室だけれど少し程度を上げたもの」となっている。デジタルを少し始めてぶつかる問題について話せば良いと思うので、撮像素子のゴミの清掃方法、画像の保存方法、レンズの選択、カメラの設定などになるだろう。個々の説明に関してはメーカー講師の方が奥深いかもしれないが、筆者の強みはあくまで「作品への理解」ということなので、「カメラマンがカメラマンに教える」スタイルで今後も続けるつもりだ。

#今日もネタに乏しいので最近、最近撮った幾何学模様をお見せする


よく見かけるタンポポ、コンパクトデジカメでもこれくらいは撮れる


自由が丘で手芸に挑戦する若者たち


狙い通りにモノクロで表現すると木の根の面白さが強調できた(群馬YPC撮影会で)


想定外の通信ケーブルや電力線を張りめぐらせた結果、アートな通路になった新宿御苑前の駅構内


修学旅行カバンを満載したトラック、最近の修学旅行生は手ぶらで自由行動のあと、東京駅でカバンを受け取る。バスで都内見学は遠い昔の話だ。