コラム

見出し 行かなきゃ撮れない
更新時間 2009/10/10 名前 よねやん
本文 ◇10月4日?5日、YPC東日本研修セミナーが茨城県・大洗海岸で開かれた。約200名ものYPC会員らによる撮影会や懇親会が行われ、大いに盛り上がった2日間であった。奇跡的に台風の狭間にあたり、海は大波なのに晴れ渡るという最高の天候となった。当日は満月で海面に月光が反射するという滅多に出会えない場面を撮影することができた。大洗磯前神社の神磯鳥居が海岸の岩場にあり、その鳥居と月光が奏でる世界は撮りながらワクワクせずにはいられなかった(写真参照)。

◇日没の少し前、海岸線と鳥居を俯瞰(ふかん)する岸壁に行くと、長靴を履き明らかにプロと分かる人がカメラをセットしていた。撮影ポイントが分からない場合はとにかくその地を熟知したプロのマネをするべし。横で撮影していると世間話が始まり、その人は何度も来たけれど条件がそろわず、やっとその日を迎えたそうだ。「なんとYPC会員はラッキーなんだろう」と思いながら夕日が沈み月光が海面に映りだした頃、「じゃあ宴会の前にお風呂に入ります」と言って8割ほどの会員が宿に引き上げてしまったのだ。これには呆れてしまった。別に強制できるものでもないが、きらめく海面を見て何も感じないのか?と思いながら残った30人ほどの会員らと素晴らしい光景を収めることができたのだ。同じ場所へ撮影に行っても作品のできが違うのはこういうことが原因だ。

◇次の日の朝、宿を4時に出発して漁港の風景を狙うことにした。その日は少し天候が悪く「どうせ曇っていて朝日は撮れない」と決め付け寝ていた人は問題外、雨が降ろうがどうしようが「現場に行ってみないと何が撮れるか分からない」というのがプロの常識なのだ。行ってみると予想外に活気のある漁港で80隻もの漁船が日の出前に出港するとのこと。朝日を狙うのはやめて、色鮮やかな電球を灯しながら出港する漁船を長時間露光で収めることにした(写真参考)。とにかく寝ていては何も撮れない。せっかくお金を出すのだから何か成果物を得なきゃダメなのだ。

◇また今回、セミナーでは管洋志先生が写真の講演を行ってくれた。非常に分かりやすく、大盛況だった。また講演だけにとどまらず、撮影会でも精力的に撮影指導を行ってくれた。本当、感謝感謝である。早朝の撮影会では皆を引き連れ、大声で指導してくれる姿には頭の下がる思いである。また何かの機会があれば、真っ先にお願いしたい先生である。

◇管先生もそうであったが写真家は異口同音に「YPCってフレンドリーな集まりですね」と言ってくれる。よく理由は分からないが、読売写真大賞事務局を通してお互いの顔の分かる集まりになっているのが良いのだと思う。来年は埼玉YPCがホスト役となり埼玉県・秩父で研修セミナーが行われる。今年の盛り上がりを見る限りは来年も期待できそうだ。

月下に幻想的な神磯鳥居


15秒長時間露光を行うと出港する船が光跡となって写る


NDフィルタを付け長時間露光を行うと昼間でも変わった作品に化ける