コラム

見出し 写真は芸術か?
更新時間 2010/02/22 名前 よねやん
本文 ◇「写真家」という職業にあこがれる人は多い。芸術家という響きで少し謎めいていて、実際、人に何かを伝えるという意味で魅力ある職業だと思う。写真学校に通い目指す者、サラリーマンの仕事に行き詰まり写真に一抹の僥倖を夢見る者、仕事が定年になり趣味が高じて生業とする者、など様々だ。

◇ただし、言っておくが「写真家で生計を立てるのは難しい」「趣味の延長線上に写真家はない」ということだ。写真家も一つの職業なので、収入で生計を立てられないと職業としてなりたたない。写真家の基本的な流れは、自分のテーマを見つけて撮影し、写真展、写真集などで発表して収入を得るというものだ。今は出版不況で本が売れない。ましてや写真集になると店先でパラパラと見るだけで十分で、それが沢山売れるまでに至らない。写真展は有名写真家になると「プリント代、会場費をタダで展示していただけませんか?」と話があるようだが、それでも作品を作るまでの労力はかかるので儲かる仕事ではない。若手写真家になると、すべての費用が自腹になるのので1つの写真展で50万円くらい持ち出しになるのが普通だ。

◇それで生活のために写真家は雑誌やメーカーとタイアップして「カメラマン」として依頼されたものを撮影、それを後に写真家の仕事として発表するという流れになる。クライアントの依頼に対して撮影するのが「カメラマン」、自分の伝えたいことを写真で表現するのが「写真家」としたら、収入面では純粋な「写真家」として生き残るのは難しいということだろう。

◇そもそも写真自体が芸術作品として扱われていないのが問題なのだ。有名写真家の作品だとウン十万円とかで値が付く時もあるが、ポンポンと売れるものではない。それは元データから何枚でもプリントでき、作品の希少性が低くなるのが原因だと言われる。また、キレイな風景写真を見て、「自分も同じ作品を撮りに行こう」と考えるのが普通で、それを大枚はたいて買いはしないものだ。「同じ場所にいって同じ条件で撮れば、同じような写真が撮れる」これが写真の楽しみでもあるが、半面、写真の希少価値を下げている大きな原因だと思う。

◇例えば、絵画は同じ人でも、同じ作品は決して描けない。また素晴らしい絵画をマネすることもできない。芸術だと言われながらも芸術作品になれない写真のキーワードは「希少性」なのだ。

◇1ヶ月ほど前にデパートの催し物で、平山郁夫、片岡球子の版画展を見る機会があった。不況の影響かバブル時よりもずいぶん安くなり、低価格のエコカーくらいの値段で今は買える。観ていると欲しくなるワクワク感が伝わり、これは写真展では味わえないものだ。写真界では写真を芸術品として売ってゆく流れがあるが、やはり絵画とは世界が異なるので、写真は写真としての価値を見つけるのが正解であろう。例えば、速報性、再現性、ネットとの相性の良さなど枚挙にいとまが無いが、それを忘れて芸術と勝負しようなんてことが無理な話なのだ。


#20年くらいぶりに奈良に行ってきた。お寺も鹿も当時と何一つ変わらない。
#ふと歴史書を読み返してみると、試験で機械的に覚えた時とは歴史が別物に見えるから面白い。

相変わらず鹿せんべいが定番だ


東大寺に鹿を絡めてみる