コラム

見出し 色空間
更新時間 2010/06/17 名前 よねやん
本文 ◇3月に色空間の話について少し触れたが、その後反響が大きいのでもう少し説明することにする。デジカメで撮影した画像は基本的に光の三原色RGB(R=赤、G=緑、B=青)で保存される。一色あたり8ビット、つまり0から255の数字で記録される決まりだ。例えば真っ赤はRが強いので(R=255、G=0、B=0)、真っ白はすべての三原色が混ざった色なので(R=255、G=255、B=255)となる。

◇要するにいろんな色は数字で表現できるのであるが、ここで色空間が問題になる。例えば数字上で赤(R=255、G=0、B=0)をどのような赤に定義するかが異なるのだ。sRGB、adobeRGB(アドビ・アールジービー)はもとよりappleRGB、ProPhotoRGBなど定義した団体によってさまざまなのだ。adobeRGBでは鮮やかな赤を(R=255、G=0、B=0)としたとしても、sRGBではちょっとくすんだ赤になるような具合だ。

◇じゃあ何でも広い色空間で表現したら良いかと誰でも思うが、それはバカな考えだ。デジカメの色は256×256×256=1677万色で表現される。当然、色空間が広がればデメリットとして微妙な色合いが出せなくなる。例えば、12色の色鉛筆を似たような色でそろえるか、バラバラの色でそろえるかのような問題だ。

◇何でいろんな色空間が定義されているのだろうか?。それはメーカーの都合によるところが大きい。液晶モニタ、インクジェットプリンタ、ラボの銀塩プリンタなどそれぞれ色の再現域がことなる。一般的には インクジェットプリンタ < ラボの銀塩プリンタ < 液晶モニタ の順で再現域が広くなる。その再現域の限界に収まるように色空間を独自に定義すれば性能を発揮しやすくなる。よってメーカーごとに定義が異なるのだ。

◇では今日の本題としてsRGBとadobeRGBの話に入る。定義としてsRGBよりadobeRGBの色空間は広く定義されている。それだけ聞くとadobeRGBでなんでも処理した方がキレイな写真を作れそうな気がする。その話だけが一人歩きして、デジカメで撮る場合は設定をadobeRGBにする人が多い。もう一つの事実として、パソコンのモニタとプロラボの銀塩プリンタ(主に富士フイルムのフロンティア)はsRGBで色が管理されている。ではadobeRGBで撮られたものを銀塩プリントするとどうなるか?(答え)「色がくすんでしまう」のだ。難しい説明は避けるが、広い色空間のものを狭いところに無理やり変換することになるので当然だ。

◇そこで「プロラボなのだからadobeRGBにも対応しろ!」という人がいるがこれも浅はかだ。色空間の定義自体が知られているだけでも数十種類もあって、独自のものを入れると数え切れないほどある。それなので結局は何でもsRGBで処理という流れにせざるを得なくなる。撮影や画像処理でadobeRGBを使うのは問題ないが、プリントなど外部への受け渡しはsRGBというのが当たり前の作法なのだ。

◇普通何も知らない人は、知らないままにsRGBを使うことになるのだが、ちょっとだけ物知りなカメラマンが「adobeRGBの方が色空間が広い」などと聞いてしまうと注意が必要なのだ。

読者のパソコンモニタの色空間はsRGB、この2枚の違いが分かるだろうか?
adobeRGBのデータをsRGBで再現すると眠いくすんだ色合いになる
<普通にsRGB処理した画像>

<adobeRGB処理した画像>


<普通にsRGB処理した画像>

<adobeRGB処理した画像>


画像処理ソフトphotoshopは偉い!どのような色空間のデータでもsRGBで自動的に変換して表示してくれる。裏を返せば、違いに気づかないまま画像処理が行われることになるので注意。


photoshopで表示される色空間の一覧、一杯ありすぎて紹介できない