コラム

見出し モニタ展示
更新時間 2010/07/28 名前 よねやん
本文 ◇「作品は紙にプリントするべし」偉い写真家が必ず口にする言葉である。プリントした写真を見ていると、心に響く部分も多いし、情報量も多いような気がする。人間と紙とのマッチングは良く、今後も紙の文化は変わらないだろうと言われている。マーフィの法則にもあるが、いくら一生懸命に文書の校閲をパソコン画面で行ってもミスは付き物で、それがプリンタから出てきた瞬間に間違いに気付くなんてことはザラである。それくらい紙は人間の脳に響くようだ。

◇新聞や雑誌の校閲者はパソコンの画面では最終校閲を行わない。必ず紙に出力してから校閲する。だから写真も同じで、最終的にはプリントしたほうが良いに決まっている。偉い写真家はプリントで鑑賞することに慣れ切っているので、なおさら声を大にして言う気持ちも分からないでもない。

◇しかし時代は変わり、液晶や有機ELのパネルが安価になり、ラボのプリントよりも色空間の広いパソコンのモニタが最近発売されるようになってきた。半切サイズが約20インチのモニタに相当するが、3万円以下で叩き売りしている状態だ。まだまだ、画像を映し出すには電源や付属機材の面で敷居は高いが、そのうち液晶モニタを常設したギャラリーが開設されるのも時間の問題だ。出展者はプリント代金がかからず、また写真展が終わって引き取り手のない作品に困ることもない。多少ギャラリーのレンタル費用が高くとも最終的にはリーズナブルというわけだ。iPadが1台5万円くらいで売られているが、それをそのまま画像表示させて展示するなんて技も近い将来考えられる。さらに進んで実は秋葉原ではiPadのまがい物がすでに1万円ちょっとで売られていたりする。紙だモニタだと議論している間に世の中は凄い速さで動いているのだ。

◇モニタによる展示は時間で映し出す作品を順に変えればよいので、ギャラリーのスペースも狭小で済む。そもそも、そもそも広大なスペースを占有する現在のパネル展示は、地価の高い都会のギャラリーにはそぐわないのだ。かと言って田舎のギャラリーでは人が集まらないし、モニタ展示のギャラリーはこれからの写真作家の救世主になるかも知れない。

◇ちょっとした写真展で30万円、きっちりプリントして名のあるギャラリーで行うと100万円、偉い写真家などを呼んでオープニングパーティを行うと200万円ほどかかる。それだけやっても来場者は少なくて500人、多くて2000人というところだから、お金の無い若手の写真家が二の足を踏むのも理解できる。写真展開催で仕事がジャンジャン来るようになるのも期待薄だろう。結局はお金と時間のある年配の写真愛好家の展示が多いのもうなづける。

◇陶芸や絵画であれば1点数百万円もする作品が売れることもあるが、写真展の場合はただ見に来る人ばかりであまり展示作品が売れたという話を聞かない。芸術作品と言われながら、芸術になりきれていない面がこの辺にあると思う。


ミルククラウンを撮ってみた。
デジカメになり随分楽に収めることができる



お決まりのミルククラウンの誕生する瞬間


ソニービルのイベント。
全日本展のプリントチェックでこの前を10回近く通った