コラム

見出し 地方で撮り、東京で審査する
更新時間 2010/12/21 名前 よねやん
本文 ◇写真コンテストの多くは首都圏で運営され審査が行われる。本社機能が東京に集中するので、どうしても審査会場は東京中心になることが多い。審査ではどこも運営費の捻出が厳しく、交通費の面で東京近郊に住む写真家などに審査員の声がかかることになる。

◇そうすると審査が東京基準の評価軸になるので、見慣れた身近の都市風景などに対しては評価が厳しくなる。例えば、東京スカイツリー。富士山や満月と引っ掛けてみたり、川やビルの映りこみなど、建設中でありながら既に撮り尽くされた感が出るほどいろんなカットが撮られている。当然審査員も撮っているので、平凡な作品では予備選に引っかかりもしない。東京スカイツリーの写真コンテストであれば話は別だが、一般的なコンテストであれば、「またスカイツリーか」という声とともに、「せっかく沢山応募してくれたから上位の次の末席くらいに」ということになる。

◇審査員に響く作品は、どうも都会の中には存在しないようだ。自分の見慣れた周りの風景では感動がないのだ。やはり地方の大自然やお祭りなどに目が行ってしまう。それは東京で東京の審査員が審査している以上、仕方の無いことだ。

◇地方には大自然や古くからの伝統芸能、農村風景など自慢できるものが多いと思うが、「地方」というくくりで見れば、(言い方が悪く、誤解をまねくかもしれないが)どこも大同小異だと思う。個人的には東京でもまだ撮られていない場所が沢山あるので、それを撮ってみたいと思っている。世界最大の都市である東京に誇りを持ち、それを収めたい心境なのだ。例えば、桜、乗り物、建物、人ごみ、スポーツ、自然といったカテゴリの1つを取り上げるだけで、東京は被写体として大きな広がりを持つ。地方では考えられないことだ。

◇先日読んだ本に「超合法建築図鑑」というのがあった。東京都などでは土地の制限が厳しい中、違法すれすれの合法建築が沢山ある。それを写真に撮ったものだが、このようなシリーズ物の作品は東京でしか撮れないと思った。地方では「○○の四季」「○○の伝統芸能」「○○の街○○」といったワンパターンのテーマしか見つけられないが、東京は無限のテーマがまだまだ存在するように思える。もし、読者が東京やその近郊に住んでいるのなら何かテーマを見つけて撮ることをお勧めする。ただし、コンクールでは通らない可能性が高いが、、、


港区高輪4丁目の名も無き見晴らしの良い坂より。
向こうには品川駅南のビル群が並ぶ。
羽田空港から5キロしか離れていないため、
航空法による100メートルの高さ制限に引っかかり
どれも同じ高さなのが面白い。