コラム

見出し 一歩先を行く
更新時間 2011/06/27 名前 よねやん
本文 「これからのカメラマンは動画も撮れなきゃ食って行けないですね」

何人かのカメラマン、写真家、メーカー関係者にこの話題を振ってみた。殆どの人が

「うーん、どうでしょう」

と曖昧な返事をする。要するに撮った事も殆ど無いし、どういうものかも分からないので返事ができないのだ。決まって最新のデジカメには動画機能が付いているという話題になるのだが、しっかり使っている人は皆無だ。一枚の写真の持つ力を力説し、動画はあくまで動画とかわす人もいる。

◇カメラに動画機能が実装され、環境は着実に整っている。実際のところはビデオカメラなる専用機にはまだかなわないのだが、写真の撮影をしつつ動画も撮ることは簡単にできるレベルまでに達しているといえる。後はカメラマン次第なのだ。

◇そもそも動画は流れを把握し、どのような完成品ができるか予めコンテを作った上で、撮影にとりかかる。例えば、お店のホームページに載せるコマーシャル動画を撮るとしよう。お店の場所が分かりやすいように遠くからのカットを撮り、お店の店構えを撮り、商品の説明、店主のコメントなどお決まりではあるが、絶対に必要なカットを分かりやすく撮る必要がある。当然、録音も必要になる。撮影後は持ち帰り、高性能のパソコンで動画編集が待ち受けている。これが大変で、10分の動画を作るのに慣れている人でも数時間はかかるであろう。放送局の報道局などは時間が勝負なので、高級な機械に人海戦術をプラスして編集を行うのだが、これを一人で行う必要がある。

◇動画は写真と撮り方が大きく異なり、写真のカメラマンがすぐに動画を撮れるかと言えば全く無理で、誰かに教わる必要がある。動画の編集にしてもかなりのスキルが必要で、多分専門学校へ10日間くらい通わないと、人に見せるものはできないであろう。写真と動画は同じように見えても、全く別のものだと考える方が自然なのだ。

◇じゃあ、そんな苦労までして写真のカメラマンが動画に踏み込む必要があるかといえば、個人的見解を言うと、絶対に踏み込むべきだと考える。デジカメが出てきて世の中どう変わったかというと、「誰でもそこそこキレイな写真が撮れるようになった」ということは否定できないであろう。モデル撮影にしても高感度になったので、ぶれずに暗い場所でも撮れるようになった。ブツ撮りは結果がすぐ分かるので照明セットさえあれば、プロ顔負けの画像が作れる。スーパーのチラシやカタログの撮影など、その会社の担当者が撮る場合が殆どだ。逆にブツ撮りのプロに来てもらって、終わったらギャラの振込みをする方が面倒なのだ。確実に写真のプロの出番は減ってきているといえる。

◇そこで動画なのだ。これまで動画を制作会社に頼めば、ディレクタが来て打ち合わせをして、当日はディレクタ、カメラマン、音声、照明、コーディネーターなど関係者がワンサカ来て、たかだか10分のホームページ用のコマーシャルを作ったら100万円かかりました、なんて話は枚挙にいとまがない。

◇ここに写真のカメラマンの出てゆく隙間があるのだ。例えば、カメラマン1人がお店に出向いて、打ち合わせから動画の撮影、また編集までして10分のコマーシャルを納品したとしたらどうだろうか。多分制作会社よりもできは悪いかも知れないが、20万円程度で納品できると思う。撮影に1日、動画編集に1日かかったとしても、割りに合う仕事なのだ。お店もホームページに使うだけなので、そこそこの出来で20万円は大満足なはずだ。更にプラスでカタログ用の写真も撮れば効率が高くなる。

◇このように「ちょっとした動画を撮る」「最後まで編集して納品する」というスキルを持ったカメラマンが殆ど存在しないのだ。町の写真館にしても、写真は撮るが動画まで撮るというところは少ない。成長の度に数分のカットを撮り、成人したらそれをつなぎ合わせてDVDに仕上げるなんて写真館があったら最高なのにと思う。

◇実際に動画も請け負っている写真のカメラマンを知っているが、やはり2日間で20万円くらい取れるので、3回やれば高級機材を買えると言っている。

◇要するにプロならば一歩先を進むべきで、デジカメの出現によってアマチュアがすぐ足元まで来ているのに、あぐらをかいていてはいけないということだ。銀塩で写真が難しかった時代を懐かしんでいてはいけない。アマチュアが踏み込めない先にしかプロの領域は存在しないのだ。


3万円はしそうなピカピカの高級棚が道端に。
何気なく「FREE」と書いてある様はさすが元麻布だ。
持って帰ろうか真剣に悩んだ。



六本木ヒルズ界隈には秘密の公園が結構ある。
道が複雑で地元の人しか行かない。



前菜、メイン、デザート、コーヒー、パン食べ放題で1200円
かなり気に入っている。



ブツ撮り研修での一こま。
テカリを入れるために水を吹き付けたり、
柔らかい光にするために悪戦苦闘