コラム

見出し APS-Cサイズじゃ撮れない
更新時間 2011/10/25 名前 よねやん
本文 ◇ニコンのD7000を買った。1600万画素のとてつもなく高性能なデジカメだ。これをわずか7万円で売ってくれるなんて仏のような慈悲だと改めて感じる。このD7000は洪水被害に遭ったタイ・アユタヤ工場で生産している。冠水で工場がストップして、今のところ供給のめどが立たないという。これはなんという仕打ちなのだろうか。しかし、神は乗り越えられない試練は与えないともいう。是非とも、この試練を乗り越え、何事もなかったかのように生産を再開させて欲しい。筆者もニコン貧乏と言われながら、試練を乗り越えてニコン製品を買い続けるので。

◇今日は撮像素子の話である。デジカメでフルサイズと言われる24mm×36mmのフォーマットは、100年近く前にコダック社が採用し、現在まで脈々と続いている。1999年にニコンがD1を発売、その時の撮像素子のサイズがAPS-Cと呼ばれる16mm×24mmのフォーマットで、フルサイズを3分の2でトリミングする形が標準となる。当時、デジタル一眼レフカメラが300万円もした時代に、D1はなんと65万円という低価格?で発売されたために、発売当初は生産が追いつかなかったとも聞く。

◇D1が出た当初、APS-Cサイズはフルサイズまでのつなぎの機種(ブリッジマシン)と考えていたが、実際は違った。APS-Cサイズ用の18?200mmというレンズがとても使いやすかったので大勢は、APS-Cサイズに転んだのだ。今では撮影会に行くと半分くらいはその手のレンズを使っている。ボディ1台に18?200mmを付けてすべてを済ませる人も多いのではないだろうか?

◇とても使いやすいAPS-Cサイズのカメラであるが、筆者としてはまったくお勧めできない。最大の理由は解像力の違いである。撮像素子の面積がフルサイズの半分くらいしかないので、細かな解像力を見れば、違いは歴然としている。軽いAPS-Cサイズのデジカメは確かに機動力に優れ、そこそこ撮れるので「まず撮ること」を重要視するならば、これで十分だ。しかし、同じように撮った写真でもフルサイズの方が切れとダイナミックレンジ、ノイズなどの面で格段に優れている。筆者としてはAPS-CサイズのD7000も使うがあくまでサブカメラという位置づけだ。

◇先日行ったベトナムとラオスの撮影旅行の場合は、メインカメラがD700(フルサイズ)+80?200mmF2.8でサブにD7000(APS-C)+18?200mmという構成で撮りまくったが、結局8割くらいはD700の作品になってしまった。やはり80?200mmF2.8という大口径レンズをフルサイズで使うところがキモなのだ。

◇アマチュアの場合、APS-Cサイズのカメラがメインで、サブにコンパクトデジカメを使う人が多い。どちらも撮像素子が小さく、「ボケ味を生かす」ということを最初から放棄していることになる。画面全体にピントが合っている状態(パンフォーカス)から作品を作るということになり、筆者には難しすぎてできそうにない。

◇ミラーレスと言って、APS-Cサイズより小さな撮像素子のカメラが大流行である。「写りが悪いのでそのうち売れなくなる」と筆者は思うのだが、メーカーのマーケティング能力はものすごく、予想に反して売れ続けて主流になるかも知れない。音の悪いアップルのiPodが高音質のソニーを凌駕したように、大衆は性能以外の面で動かされることが多い。カメラも手軽に撮れる製品が主流になりつつある。それはとても悲しいことではあるけれど、写真が身近になるほど傾向は強くなると思う。


大雪山系・黒岳で


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マザー牧場で