コラム

見出し EVF
更新時間 2011/11/26 名前 よねやん
本文 ◇風景写真コンテストの審査が終わり、ようやく200点の入賞が確定し、入賞作品の画像データが揃った。本コンテストは作品が写真集になるために、高画質の画像が要求される。また撮影地や画題などが書かれたアンケートや作品の想いをつづった短い文章が送られてくるが、それを編集者に渡す前に、コツコツと確認作業が必要になる。地名が違っていたり、固有名詞の細かい表記が間違っている場合が多い。例えば、「秩父の夜祭」と書いたものを、正式名称の「秩父夜祭」に直す。画像データも原則、撮ったままの画像加工していないデータを送ってもらう。そうしないと、極端に彩度を上げたり、シャープネスをかけすぎたりしているデータが送られてくる場合があるので、後で印刷所に回せなくなってしまうのだ。

◇今年の入賞者の特徴は、ソニーの一眼レフを使う人がすごく増えたことだ。ソニーNEX?5Nという人気のミラーレス(ミラーが無いタイプ)のデジカメがあるが、撮像素子がAPS?Cサイズとミラーレス中で一番大きなサイズを使っているために、画質が高いとされている。いくらニコンのミラーレス(ニコン1)の性能が高いとはいえ、NEX?5Nの4分の1ほどの面積しか撮像素子がないのでこれでは勝負にならない。とにかくソニーは価格と性能の面でバランスが良く、それが人気につながっていると思われる。

◇それとソニーの一眼レフはEVF(電子ビューファインダー)を搭載しているのも人気の要因だ。α77シリーズは一眼レフに付き物のミラーをやめ、EVFしか搭載していない。オートフォーカスなのでピントの山がはっきり見えなくても問題ないのだが、α77のファインダーは非常にクリアでピントもよく分かる。ミラーの跳ね返り時間もないので、シャッターボタンを押してから撮影できるまでのタイムラグはニコンのフラッグシップ機D3sよりも短い。

◇昔タイプの人は「やっぱり光学ファインダーじゃないと、微妙なニュアンスがわからない」というが、「実際にはこういうふうに写りますよ」とEVFに表示されているのだから、光学ファインダーの方が虚像を見ていることになる。また暗闇の中を撮影する場合、EVFだと暗視カメラのように鮮明に見られ、高齢で目が悪い人でも楽々撮影ができる。映し出す画像が実際よりも微妙に遅れるので、スポーツ撮影などには向いていないが、そんなに遠くない未来にそれも解消されるだろう。

◇ニコン、キヤノンといった2大一眼レフメーカーも非常に難しい局面にさしかかっていると言えよう。長い歴史の中で培ってきた、ミラー部や光学ファインダーの技術は他社では真似できない優位性を持っている。それに対応したレンズもたくさん販売しているし、ユーザーも多い。反面、ミラーレス、EVFというのは大きな流れで今後も続くに違いない。そこをうまい具合に切り替えて行かないと、2大カメラメーカーが、ただの家電メーカーのになる恐れがある。ミラー機とミラーレス機が共存なんて構図は過渡期の現象であって、そのうちミラー機がなくなるような様相を呈してきた。

◇また動画への動きも急である。キヤノンの次の次(多分2016年発売)のフラグシップ機は長辺が4000ピクセルもある動画(4K動画)機能を搭載すると言われている。それが出れば、カメラマンも静止画を撮らずに動画を回し続けて、撮った後に良いシーンを選択するような時代になるかも知れない。そうなればなおさら、ミラーと光学ファインダーが邪魔になるので、特に先進的で動画に力を入れているキヤノンは大きく方向性を変えるかも知れない。

◇「EVFなんて使い物にならない」という声が1990年代後半に聞いた「デジカメ(当時は電カメ)なんて使い物にならない」という声に似ている気がしてならない。工業製品というものは共存はありえない。10年後に思い出したら、本コラムを読み返して欲しい。


群馬県小中の魚道で


栃木県銀山平公園で


マザー牧場のシープショー、
羊の毛を刈るだけなのに司会者だけ妙に盛り上がっていた