コラム

見出し 三脚
更新時間 2011/12/26 名前 よねやん
本文 ◇報道カメラマンに関して言えば、三脚を使うことは少ない。当然、長時間露光を必要とする天体撮影などの場合は使うが、30分の1秒程度までならば手持ちで済ますことがほとんどだ。また、デジカメが高感度になり、手ぶれ補正まで付いているので、ますます三脚は出番が無くなったといえよう。スポーツなどの場合は三脚に付けて撮影するが、ブレ防止というよりは、長時間構えているのがしんどいから、カメラ置きとして使っているようなものだ。風景の場合は、撮影位置を頻繁に変えたいので、三脚は邪魔な場合が多い。

◇対するアマチュアは撮影旅行などを見ていると三脚を持参する人が多い。なるべく疲れないようにと、ボディ1台に18?200ミリ1本のみの軽量化作戦で参加しているのに、三脚は結構しっかりしたものを持ってくるのだ。このアンバランスが筆者には理解できない。もともと18?200ミリだけではしっかりした画像が最初から撮れないのに、少しでもきれいに撮るために三脚を持参しているのだ。それなら三脚はあきらめて、代わりに80?200ミリF2.8のレンズを1本増やしたほうが、絶対に良い作品が撮れるというものだ。

◇また反対に三脚が必要な時に、持って来なかったり、割り箸のような安定性の悪い三脚を持ってくる場合がアマチュアによく見られる。数年前、YPCの旅行会で大洗海岸へ行ったことがあった。その時は海岸の鳥居と満月を撮るというのがメインで絶対に三脚が必要だと分かっていた。「なのに」である。しっかりした三脚を使う人は少なく、絶好の満月の夜をしっかり撮れた人は少なかった。また三脚を砂浜に立てて、長時間露光するなど使い方を間違っている人もいた(長時間露光すると砂に脚が徐々にめり込んでぶれたりする)。プロは日ごろ使わない三脚でも、必要な時は十分すぎるくらいの装備で臨むものだ。

◇写真家で「基本的になんでも三脚を使って、レリーズで撮りなさい」とアマチュアに指導している先生がいる。これは指導として間違っている。それを真に受けて、「ぶれない写真が撮れるようになりました。○○先生に救われました」などという言葉まで聞いたことがある。この先生と生徒は、「究極の絵葉書写真」を追求しているのだろうか?全く理解できない。まずぶれないように、手持ちで撮影する手段を学び、その次に三脚なら理解できるのだが。

◇三脚嫌いの筆者であるが、三脚の工業製品としての美しさや、研ぎ澄まされた機能など惹かれる部分も多く、個人的には4本持っている。最近ではBENROという中国のメーカーのものが、価格が安く高品質なので気に入っている。日本ではまだマイナーであるが、世界的シェアは30%もあり、手にとってみると、その質感などで人気の秘密が分かる。日本製とジッツオの間の品質位なので、今後もっと安くなれば日本の三脚メーカーは太刀打ちできないかも知れない。


筆者の三脚、ジッツオが3本、BENRO(ベンロ)が1本


さすがに夜の紅葉は三脚が必要だ