コラム

見出し 難しい人物のプリント
更新時間 2012/06/25 名前 よねやん
本文 ◇先日、代々木の青少年会館で行われたモデル撮影会の作品を見せてもらった。ここ2年ほどでデジカメの画像処理エンジンが世代変わりし、カラーバランスや露出が飛躍的に良くなったので、救いようの無いほどの悪い作品は姿を消しつつあるという印象だ。ポートレートモードがついたデジカメもあるので、簡単お手軽なのである。

◇そこで提出されたモデル作品の印象はというと 「撮影後の画像処理、プリント処理がひどく、平均点40点くらい。グラビアで使えそうな作品は皆無」 なのだ。ちょっと辛口かも知れないが、プリントがどれも悪すぎるのだ。中にはきっちり銀塩プリントで仕上げる人もいたが、それでも最高点は70点くらいで、感動するほどの作品は殆ど見受けられなかった。

◇風景写真の場合は、少々色が転んでいても、暗くなっていても作品として成り立つ。現実は平凡な風景でも、ドラマチックにプリントすることで、秀悦な作品に大変身したりする。これがモデル撮影の場合はごまかしがきかないのだ。どうしてもモデルがメインなので絶対基準である肌色をきっちり出す必要がある。人間の目は肌色に非常に敏感で、少し黄色く黄疸がかったようになると病気のように見えるし、赤色を入れて濃度を濃くすると日焼けで健康的に見えたりする。モデルさんの場合は、事実と異なっても美白ぎみにすれば間違いなく綺麗に見える。

◇そのように微妙なプリントまで気が回らなく、撮りました、とにかく5枚出しました。で終わっているような気がする。プロの場合は画像処理をして納品までが仕事であるから、これでは務まらない。

◇写真は、段取りと運が3割、撮影テクニックが3割、プリント処理が4割くらいのウエイトを占めると思うが、モデル撮影の場合は段取りが殆ど必要ないので、プリント処理は5割くらいを占める。そこで迷う人が多く、要望で画像処理の写真教室を行うことが多いが、受講者のレベルにあまりにも違いがありすぎて、まともな教室は成立しないのが現状だ。でもよく考えてみよう。写真専門学校で行っている画像処理のコースは半年から1年が一般的だ。それも若者が真剣に取り組んでの話だ。それを2時間ほどの教室で見違えるほどうまくなるなんて考えられない話だ。

◇画像処理ができない人は提出する作品だけでも、ラボに出すことをお勧めする。以前はプロラボを勧めていたが、「完全な画像データを完全にプリントする」というのがプロラボなので、「このへんを明るく」くらいはできるが「顔を明るく、肌色は少し赤を入れて、背景は暗く落として」などの複雑な画像処理は行ってくれない。最近、風景写真コンテストの応募作品を見て分ったのだが、顧客獲得のために画像処理に力を入れている町のラボがある。そこは上顧客になれば細かい画像処理を応じてくれるようだ。筆者から見れば、まだまだ素人なのだが、70?80点くらいの画像処理はできているので、そういう所を探してみてはどうだろうか。作品が見違えるはずだ。

以下は画像処理の一例、素のデータから最終製品までの流れ
撮影はニコンD3+80?200mmF4
画像処理はフォトショップ



元データ、緑が多いのでホワイトバランスが狂ってしまっている。
葉っぱの反射で顔が少し緑がかっている。



とりあえずトリミング。応募作品でトリミングの悪いのが目立った。
平気でノートリでプリントしている人もいてそれは問題外



顔を領域指定(マスク指定)して、明るさと赤みを出す


べったりした黒い髪を少し明るくしメリハリをつける


葉っぱの部分の黄色成分を取り、生命力あふれる緑に変える


シャープネスをかける。小さいプリントは強め、大きいプリントは弱めがポイント。
これで最終製品


パンフレットなどのオフセット印刷だと、これくらいが最適。
インクジェットプリントだともう少し彩度を下げたほうが
きれいに出力できるだろう。