コラム

見出し 想定外を排除する
更新時間 2014/02/24 名前 よねやん
本文 ◇ソチ五輪が終わった。メダル数は自国開催(長野10個)に次ぐ、8個で大健闘だ。 冬の五輪には精鋭のカメラマンが数名派遣されるが開催期間中の忙しさと言えば想像を絶するものがある。 例えば、競技の1時間ほど前に行ってカメラを構えれば良いと思うかも知れないが、そんなに簡単なものではない。 まず開催前にカメラマン用のIDカードが各社に割り振られ、それを持っていると基本的にフォトポジションに行って 撮れるわけだが、人気競技や閉会式、開会式になると、撮影人数が制限されていて、 事前に「撮影チケット(整理券のようなもの)」を入手しないと良い撮影ポジションへ行けないことがある。

◇特に日本人は大挙して五輪に押しかけて行くので、自国選手の活躍する競技になると、 日本のカメラマンだけであふれかえり、チケットの争奪戦になる。よく現地の関係者に 「日本人は真面目だねぇ」と皮肉交じりに言われるが、選手と同じくカメラマンも日の丸を背負って 現地入りするので手を抜けないのだ。五輪に行って改めて思うことだが、日本人の真面目さは紛れも無く世界一だ。

◇例えば、フィギュアなんてグルグル回るのでどこで撮っても同じと思うかも知れないが、 最後の決めのポーズやコーチと抱き合うシーンなどを考えると、撮影場所がおのずと決まってしまう。 各社、その場所は分かっているので、場所取りのために5時間くらい前から行くなんて当たり前で、 ひどいのになると前の日から並んだという話もある。五輪のカメラマンと言えば長いレンズを 振り回して格好良く連写する姿を想像するかも知れないが、それはごく一部にしか過ぎず、その前に何十倍もの労力を要するのだ。

◇どの仕事も同じようなもので、最高の結果を求めるためには最高の手間と努力が必要だ。 もし、納得できる写真が撮れず、悩んでいる写真愛好家がいたとしたら、 プロに負けないくらい努力しているか自問してみると良い。 ただし問題になるのが「努力の方向性」でアマチュアの場合は、納得できるまで同じ被写体に 通いつめるという方向に偏りがちだ。それでは一発勝負のスポーツ写真などは撮れない。 プロの場合は、「このイベントを撮りきる」と課題を与えられれば、ち密な計画を立てて、 天気が悪ければ作戦変更をしながら、作品を仕上げてしまう。釣果で坊主は許されるが、 写真のプロの場合、坊主は極力避けなければならない。そのためにも手を抜かないことは大切だ。

「そこそこの努力で最高の結果を目指したい」そう思っている人は多い。 例え最高の1枚が撮れたとしても、それは運が良かっただけだ。ち密な段取りを行い、 運を排除して必然の結果にしないと良い写真は撮れない。

天皇陛下の手術を行った心臓外科医の天野篤先生も言われていた。 「準備不足でうまく手術できても、それはただの偶然で、想定外の出来事を 事前にイメージして排除することが大事」だと。仕事とはそういうものである。


崖の上の家、見晴らしは最高だと思う


お相撲さんはどこに行っても人気者