コラム

見出し 情報の信憑性
更新時間 2015/04/25 名前 よねやん
本文 ◇カメラ機材を購入する場合、価格COMのクチコミやアマゾンのレビューを読み、評判を確認してから買う人は多いと思う。これはひとつの判断として正しいが、100%信じ切って買うと思わぬ失敗をすることが多い。今日はネットの評判について考えてみる。

◇ニコンから300mmF4がリニューアル発売された。誰も予想していなかった、フレネルレンズという特殊レンズを使い、魔法のような小型軽量化を実現した。重量は755グラムと従来の1440グラムの約半分になり、全長は147mm、ちょっと長めの標準レンズという感じだ。これに1.4倍のテレコンバータを付けると420mmF5.6のレンズになるので使い勝手が良い。

◇このレンズはサッカーW杯やオリンピックで一般客にまじって、競技を撮るような場面にピッタリだ。最近、催し物会場で警備が厳しく、カメラ機材で400mmや500mmなどの超望遠レンズを持って入場できない場合がある。この300mmF4のレンズなら止められることはないだろう。また出張などにもこの軽さは助かる。通常、70?200mmとテレコンまでは持って行くが、それより長くて重いレンズは躊躇する場合が多い。この300mmならバッグのすみに忍ばせてもボディ1台分の重さなので、使うカメラマンも多くなるだろう。

◇と、言うことでまたもや筆者のニコン病は発病し、発注の前に一応確認のためニコンから300mmF4を借りて試写してみることになった。D810に取り付けて室内で数十枚撮ってみる。結果は???。いまひとつピントの山に切れが無く、思っていたほどの描写力が無いのだ。ニコンが満を持して発売したのだから、そんなはず無いと思いながら、何度撮影しても結果は同じだ。ネットの書き込みを見ると大絶賛の嵐。同じ機材の組み合わせで鳥や飛行機の作例が自慢げにUPされていたが、その画像だけでは筆者の気にしている切れは確認できない。ちなみに70?200mmF4にテレコンを付けて比較してみたが、こちらばズームレンズにもかかわらず切れが抜群で、どう見ても300mmF4が劣っている。テスト結果はニコンの営業を通して一応開発チームに伝えてもらったが、筆者もテスト方法に自信が無く、それ以上追求せず買うことを断念した。

◇発売から3ヶ月ほど経ち、状況が一変した。海外の一部のプロが筆者と同じようなことを言い出したのだ。ニコンもいち早く対応し、しばらく出荷停止で不具合の対応に追われた。つい先日、ニコンから、D800,D810に300mmF4のレンズを付けて撮るとブレ防止がうまく作動しないことがあるという発表があり、不具合を修正するために回収してファームのバージョンアップをするという。要するに、筆者がおかしいと言っていたことは正しく、もっと自信を持って細かく切り分けテストを行い、ニコンに報告していれば早く対応が進んだに違いない。

◇今回の一件でネットの書き込みのあいまいさについて、改めて思い知る結果となった。書き込む人は納得して買っているのだから、自分を否定するような悪い評価を出すはずもない。UPしている撮影例を見ても、上質な作品は少なく参考にならないことが多い。プロの意見が聞きたいのだがやはりそういう人は発言しないので、口コミはどうしてもアマチュアカメラマンの溜り場になる傾向がある。

◇ネットは自分の思ったことを気軽に書き込め、責任も無い。反面、それを信じると手痛い目にあうことがある「安かろう悪かろう」の世界だ。アマチュアがプロのふりをして書き込みをする。矛盾点に気づきプロがアマチュアのふりをして書き込みを正す。情報が氾濫する現在、多すぎる情報から正しい情報を得るためにまたネットを利用する。要するに匿名性が高いため信憑性が乏しくわけの分からない世界だ。そこで正しく必要な情報を選別する能力が必要とされている。その中において新聞は「正しい情報」として一助になると思えるのだ。


スタジオの物撮り研修で。スタジオ中心のカメラマンは500パターンのライティングを操るという。
筆者の自信を持って組めるライティングは10通りくらいしか無い



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