コラム

見出し 夜を撮ろう
更新時間 2015/09/20 名前 よねやん
本文 ◇先月言った、写真の学校での夜のモデル撮影実習が終わった。危惧していた段取りの悪い先生は都合が悪かったらしく、別の先生で行われ、筆者を含め受講生は万々歳、いろんな経験ができて有意義な1日だった。

◇夜の撮影は、絶対にプログラムでは撮れない。まずマニュアルモードで絞りとシャッターをいくつで切りたいかを考え、ISO感度を決定する。これで土台となる背景の明るさが決まる。その上でストロボを発光し、背景に対してどれくらいモデルを明るく表現するかを見る。これで終わりではない。色温度だ。背景の色をどれくらいで表現して、モデルの調子はどれくらいにするかバランスを色温度で調整する。バランスが悪い場合は、ストロボにセロファンを付けて調整する。

◇理屈では分かっていてもなかなか現場での対応力が難しい。一応、ISO1000でF4.5、100分の1の露出を基準に撮ったが、ストロボ光が弱かったりしてうまく行かない。現場ではまずまず80点くらいの出来だと思っていたが、帰ってからチェックすると本当に40点くらいと散々な結果だった。

◇筆者の目指した画像は、普通にモデルさんをきっちり撮るということだ。奇抜な撮り方は絶対にしない。要するに、余すことなく情報をスキャニングしメモリに収めることだ。そうしておけば、後から画像補正でどのような表現にでもできる。ここで、先生の流儀で共感できない部分が発生した。丁寧で人柄も良い先生だったが、色温度をいろいろ変えて、例えば真っ青の写真を撮り「こういう表現もあります」と生徒に指導したことだ。これは撮り手としてはアウトだ。真っ青で撮れば、情報が欠落することになり修正ができない。あくまで普通にデータとして撮り、真っ青に表現したい場合は後から行うのが常道だ。

◇夜のモデル撮影で一番の注意点は、暗闇で液晶画面を確認すると、少々アンダーな写真でも実にきれいに見えてしまい、現場で満足してしまうことだ。2段くらいアンダーでもきれいに見えるので本当に要注意なのだ。またピンボケとブレは問題外、これも手間を惜しまず拡大表示で確認してほしい。

◇あと機材で重要なのは、クリップオンストロボを使うこと。内蔵ストロボは細かい調整ができないので、これは緊急用のオマケと考えてほしい。当然明るいレンズも必須だ。くれぐれもF5.6などの暗いレンズではピントが合わないし、早いシャッターが切れない。当然バックボケもきたなくなる。もしワイドと望遠を使い分けたければレンズ交換をするか、ボディを2台使うしかない。散々言っているが、18−200mmなどの高倍率ズームではモデルは撮れない。特に夜の撮影には向いていない。

◇アマチュアの写真愛好家を見ていると、昼間、室内、早朝、夕景の写真で95%くらいを占める。高齢者が多く、早朝、昼間が活動時間で、夕方から夜にかけては、家に帰って寝る時間なので、あまり撮らないのだと思う。夜の撮影、特にモデル撮影は超難関で実力がUPできる良い教材なのだが、それに挑戦する写真愛好家に出会ったことも少なく、寂しい気もする。これからの季節、日の入りが早くなり、18時位にもなると夜の写真が撮れる絶好の機会だ。早々と帰宅し、酒盛りをするのも良いが、たまには夜の東京でも撮り歩いてはいかがだろうか。


クリップオンストロボ、
背景が蛍光灯の場合は緑のセロファンを装着できるようになっている



少しアンダー気味なので
ノイズが多くちょっと不満



ホワイトバランスはオート(赤みを残す)