コラム

見出し 記憶色
更新時間 2016/01/24 名前 よねやん
本文 ◇御茶ノ水で撮影したこの作品、あなたは何を感じるだろうか?



「望遠効果を効かせて人の生き生きした表情が浮き出ている」どこかの選評で聞いたことがあるような言葉だ。そんなことを感じてくれと言っているのでは無い。実は画像加工をして手前の車を青色に変えてあるのだ。あくまで例であってやってはいけない補正だと断っておく。

◇ここで言いたいことは「人間は記憶色に敏感」ということだ。偶然に通りがかる車の色は記憶していないので、青でも赤でも別に気にならない。しかし、水平線から昇ってくる太陽が青色だと人は違和感を覚える。

◇例えば30年前、茶髪で街を歩くと、チンドン屋と言われたものだが、今だとそのような若者も多いので人は何も感じない。「茶髪も街を歩く」という記憶が人にすり込まれているからだ。

◇この画像がオリジナルで、車は実は赤いが、どちらを見てもあまり違和感がないだろう。


オリジナルの画像

◇次にオリジナル画像から、人の肌色をいじってみた。


◇少し黄色を足しこんだだけなのだが、この少しの変化は気になると思う。人の肌色はこんな感じだという記憶色から逸脱しているので違和感を感じるのだ。

◇この記憶色への人の反応を考慮すると、画像補正もより高度なことが行える。例えば山の緑は黄色(Y)を多めに入れて少し明るめに出せば春先の若葉に見える。逆にシアン(C)を入れて、少し暗めに出せば夏の深い緑に見える。  空は少しコントラストを下げて仕上げると春先の青空になる。コントラストを上げて青空を深めに濃く出せば夕立が来そうな夏の青空になる。それらの色は人間の頭の中にすり込まれており、それに近づける補正をすると、人は勝手に感じてくれるのだ。


春先に見える補正


夏の14時頃に見える補正

画像補正で
CMYK濃度
肌色の明るい所で C3% M15% Y20% K0%
深い空で C90% M60%  Y0% K0%

などなど、練達な人は大体の数値が言えるものだ。自称、画像補正の達人を沢山知っているが、大体は画面で見た感じの感覚的な補正しかできない。数値的なものを語れない限り真の補正ができるとは言えない。

最後に、扱うデータがRGBなのに、なぜCMYKの数値で語るのか?またの機会に説明するとしよう。