コラム

見出し 主(ぬし)になるな
更新時間 2016/03/30 名前 よねやん
本文 ◇文京区の区役所(文京シビックセンター)の展望台は富士山がきれいに見えることで有名だ。行くと、必ず主(ぬし)みたいな人がいて、撮影の初心者を見つけると聞いてもいないのに撮影指導を始める。「三脚は使えないので台の上にカバンを置いてカメラを固定する」とか「何月何日にはダイヤモンド富士が見える」とか丁寧に教えてくれる。また数年越しで撮ったブックを見せてくれたりするのだが、決まって写真は絵葉書のようで何の面白みも無い。金のかからない趣味の延長線なので徒歩か自転車で来られる近所の人が多い。そんなに毎日のように通っても写真がうまくなるとは思えないので、そういう撮影は筆者の性には合わない。

◇先日、伊丹空港に着陸する飛行機を撮りに行った。魚眼レンズじゃないと入らないくらいの距離で撮影できるのは日本では伊丹空港しか無い。ネットで必要機材を調べて、17時ころ到着したら、いたいた伊丹空港の主と思われるおじさんが。片手にブックを持ち、キョロキョロ初心者を物色している。こういう場合、幸いにも筆者は声をかけられたことが無い。数メートルまで近づいてみると「今日はニコン派が多い」なんて騒いでいる。

 そういう主を見つけたら筆者がすること

1)その人の技量を見極める
2)持っている機材を望遠レンズで撮影しチェックする
3)主がどのように撮影しているかチェックする
4)その主より良い写真の撮り方を考える


◇その主の撮る作品をベンチマークとして、それより良いものを収めれば間違いないという考えだ。人によっては自分の流儀で撮影に専念する人もいるが、それでは5回、10回と通わないと修正ができない。やっぱり通いつめている主の行動は参考になる。

◇伊丹空港の飛行機は迫力満点だ。飛行機はおそらく頭上100メートルくらいの高さを通過するので、砂埃が舞い上がるほどだ。魚眼から600mmまでどんなレンズを持っていってもそれなりの作品が撮れる。大阪駅から阪急宝塚線に10分ほど乗り曽根駅で降り徒歩15分と比較的便利な場所にある。

◇肝心の撮影だが、たぶん殆どの人はうまく撮れないと思う。ISO6400でもF2  1/250秒というタフな条件で、時速250kmの飛行機にピントを送り、ブレ無く流し撮りするのは至難の業なのだ。殆どのカメラマンはその場の雰囲気に飲まれ、たくさん撮影するもブレブレのボケボケという結果だと思う。筆者も一生懸命撮ったが、さすがに5割らいしかしっかり撮れなかった。ただ、ネットにUPしている自慢の画像をいろいろ探したが、ひどいものばかりで、それと比べるとかなり良いものが撮れたと思う。

◇結局、いろいろ場所を探しながら試行錯誤の撮影だったが、一番光線加減の良い場所はやはり主たちが三脚を並べており、最終的に筆者もそこで撮ることにした。ふと気が付くと隣には航空写真家の中野耕志さんの姿が。やはり主の行動には抗うことはできないものだ。    


撮影者でごったがえす伊丹空港・千里川


かなり低空を通過する


魚眼レンズでもギリギリだ


おなかに誘導灯が映りこむ、200mmで


600mmで定番写真も撮ってみる


初心者には85mmがお勧めだ