コラム

見出し 守秘義務
更新時間 2016/09/27 名前 よねやん
本文 ◇よくホテルの従業員がSNS上で「●●ホテルで女優の●●発見!」などの情報を拡散させて大問題になることがある。誰も知り得ない情報を自慢したいのは分かるが、その書き込みひとつで一流ホテルでも信用は失墜する。

◇同様に「この前、女優の●●さん撮って、実物はもっと綺麗だったよ!」そんな自慢話をするカメラマンがいるとすれば、プロとして失格だし、使う立場から言うと二度と仕事は回さないだろう。カメラマンを含めた取材者は「取材上の守秘義務」というのがあり、取材して新聞なり雑誌なりで発表された以外のことは漏らしてはならない。新聞社の場合、撮ったデータは紙面やホームページ以外で使うことは無く、許諾が無い場合は販売もできない。また撮影データは新聞社に帰属するので、撮ったカメラマンであっても個人的な写真集や写真展に使用できない。悲しいかな、カメラマンは対価をもらって撮るだけの人なのだ。

◇報道の使命として、「事実を読者に伝える」というのがあるが、逆に個人的な部分はしっかり守らなければならない。相反すると思うが、そのさじ加減が大事なのだ。

◇写真に撮影者が掲載されるので、それを見て、「最近、女優の●●さんを撮ってましたね。どんな人でした?」的な話題を振られることが多いが、「いい人でした」と当たり障りの無い言葉で応えるのが常道だ。そこで必要以上の情報を漏らすことはしない。

◇守秘義務というのがビミョウで、職場内ではある程度共有しないと不都合が生じる。「●●さんは邪悪なストロボ光が嫌いなので、ノンストロボで撮影」、「女優の●●さんはベッピンライトで(しわや影が出ないライティング)」などの情報を前回撮った人から引き継ぐのが一般的だ。

◇そういう理由から、新聞社の場合は自社の社員が基本的に取材を行う。外部委託すればコスト削減できるが、クオリティ、守秘義務、信頼性などを考えると自社で制作することになるのだ。

 ここでグレーな領域の話。
「休みの日に個人的に以前に取材した人に会って、写真を撮らせてもらう」
この撮影データは個人の写真集で発表できるか否か?
これは非常にグレーな部分で、会社の取材で築いた関係なので、基本的には発表できないと解釈するのが自然だろう。よって、周りでも写真集を制作する人は多いが、決まって仕事とは異なる分野での写真となる。スタッフカメラマンの立場は弱く、会社ともめては生きていけないのだ。

◇30年くらい前までは、権利関係もあいまいで、撮影現場に個人のカメラを持ち込み、「個人のカメラ、個人のフィルムで撮影したものは自分の写真」「言われた仕事をこなせば、文句を言われる筋合いはない」みたいなところが業界全体にあった。今考えると実にあいまいな時代だったと感じる。


今年の夏は五輪の受け担当のため遅い夏休み。境港へ行くと寂しげな鬼太郎の姿が