コラム

見出し キャプション
更新時間 2018/01/08 名前 よねやん
本文 ◇今日は珍しく写真の話ではなく「コトバ」について書く。カメラマンは現場に行って撮るだけの仕事だと思っているかも知れないが、それは半分しか当たっていない。写真にはキャプションと呼ばれる写真説明がつきもので、新聞写真の場合はそれが無いと掲載されることはない。いつ、どこで、誰が、何をしている写真か?などキャプションを入れないと写真が完成しないのだ。

◇例えば冷え込んだ朝、霜柱の写真を撮ったとする。アマチュアの場合だと応募用紙の画題に「寒い朝」などをつけるだけで問題ないが、新聞写真だと「都内では最低気温が今年最低の氷点下●度を記録し、地中の水分が地表に染み出して柱上に凍結した「霜柱」が見られた。通りがかりに立ち止まり「寒中に咲いた氷の花」を楽しむ姿も見られた。(●月●日●時●分、新宿区の新宿御苑で)」  などとキャプションを入れないと不十分な写真になるのだ。

◇地名や人名の間違いは致命的で、前述の新宿御苑も千駄ヶ谷寄りの場所は渋谷区になるので要注意だ。また「品川区の目黒駅で」、「港区の品川駅で」などは間違いやすい代表選手だ。人名も間違わないように、できるだけ名刺をもらい、過去の紙面でも確認する。ネット検索は参考程度に調べるが、安易な代わりに信用できないのがネットの特徴だ。ネットが間違っていましたでは言いわけにならない。

◇言い回しも要注意で、前述だと「通りがかり●●姿」と名詞にかかる場合は「がかり」なのだが、「多くの人が通りかかった」と動詞で使う場合は「かかった」になる。間違いを自慢したらきりがないのだが、「野生するコウノトリ」「野性的なコウノトリ」、「写真に収める」「写真に納まる」などは、意識しないまま間違うことが多い。

◇変換ミスも要注意!「発砲酒」(危険な酒だ!)、「新機能を内臓」(サイボーグみたい)、「カメラで連射」(狙撃用の特殊カメラ?)などと枚挙にいとまが無い。ただ、どの漢字を使うか不明な場合があり、「稟議をはかった」「レーダーがとらえた」など平仮名で逃げることもある。

◇「コトバ」の間違いに撮影者が気をつけて入力し、デスクが見て、編集者が見て、最終的にコトバの番人である校閲記者が最終確認する。例えば「肩からショルダーバッグを提げ」とあるとショルダーバッグは肩からかけるものなので「肩から」は不要では無いかと「指摘出し」が入る。

◇インタビュー記事などは、取材から掲載まで期間があった場合は、前日に「明日原稿が載ります。ありがとうございました」と電話をすることがある。これは、お礼だけではなく、その取材内容に変化が無いかを確認するためだ。よく週刊誌などであるらしいが、「元気にやっています」的な原稿を載せて、実は掲載の数日前に亡くなっていたなんてこともあるそうだ。そのへんまで「コトバ」に注意を払うのが新聞で、web情報ではここまで責任は持てないだろう。


京都府伊根町の舟屋を撮りに行った。
風景写真では有名な場所だ



マイクロフォーサーズで撮ったが、
ダイナミックレンジが狭くて「白とびしやすく、シャドー部が出にくい」
ということで、やっぱり仕事では使えないカメラだ
軽いのは最高なのだが



ストック用のカット、誰でもこう撮ると思う