コラム

見出し 研修で化学反応
更新時間 2018/02/05 名前 よねやん
本文 ◇先日休みを取り、写真学校の撮影研修に参加した。都内のカフェを1日借り切り、店内でモデルと料理を撮るという内容だ。先生はもちろんプロのフリーカメラマン。雑誌やコマーシャルの一線で活躍されている男性だ。参加者は11名、一部アマチュアもいたが、大半がプロの卵たちだ。機材も最新の高級機種が多く、「なんとしても写真を生業にします」みたいな意気込みが感じられた。普通のワークショップだと「写真で食べられるか偵察にきました」的な中途半端な人もいるが、今回は正真正銘プロのための研修だ。  筆者にしてみれば、カフェでの撮影は慣れたものだが、同業のプロの流儀を学ぶということに意味がある。自分に足りないところ、また自分が勝っているところなどを感じ取り、化学反応することで自分の立ち位置が再確認できるのだ。昔ならば大先生のアシスタント(アシ)をしながらワザを盗むことも可能なのだが、今のご時勢、アシを連れての撮影は当然コストもかかるので、予算のある撮影以外は1人で行くのが一般的だ。よって実際の現場で学ぶということが難しいので、プロの卵たちにとって実践講座は有用なのだ。

◇受講してみて、感じた点は、モデルや料理の最初の位置決めにじっくり時間をかけて、露出もしっかり決めて撮るという印象だった。あとライティングなどは、かなりアバウトで行き当たりばったりなのだが、大型のストロボやライトボックスを使っているので、失敗が少ない機材構成だった。その他、細かい注意点は参考になったが、すごく有用な情報は聞けなかった。

◇新聞社のカメラマンは特殊で、限られた時間で、確実に紙面に使える画像を撮らなければならない。要するに雑でも良いので、早く確実に撮るということだ。料理だと一品あたりせいぜい1−2分くらい、人物ポートレートだと5分くらい、インタビューカットだと15分くらいが標準的だ。少なくとも研修ではもっと時間をかけて納得できるまで完璧に撮るということだったが、30分かけて90点の写真を撮るよりは、5分で80点の写真を撮るほうが新聞社の中ではエライとされている。ただ、筆者としては5分で95点の写真を目指しており、いろいろな流儀を参考にしつつ、良いところまで来ている気がする。

◇また大きな違いを感じたのは、一般のフリーカメラマンは撮ってデータを納品して終わりでその先が無いということ。当然クライアントに「このように撮って」というオーダーの下、撮影するわけだが、その先の世界を知らないのだ。その点、新聞社のカメラマンは新聞制作の現場も知っているので、「こう撮れと言っているが、新聞制作上、このカットも必要」「この色は紙面で映えない」などというサジ加減が分かるのだ。普通、フリーカメラマンといえば、撮るという一部分だけしか行わないので、撮って、紙面化して、反響を確かめて、という一連を毎日のように経験できる新聞社のカメラマンは幸せなのかも知れない。ただし、締め切りに追われ、絵解きのミスや撮り損ねに怯え、それが延々と続くストレスに溢れた毎日に耐えられることが必要条件ではあるが。


研修で撮った料理の写真、
これくらい撮れれば合格ということだ