コラム

見出し 画像確認
更新時間 2018/05/22 名前 よねやん
本文 ◇カメラがデジカメになり便利になったことは、画像がその場で確認できることだろう。ラボの仕上がりを待つワクワク感はなくなったが、どのような図柄で適正露出で撮れているかなどが現場で簡単に分かる。デジカメの出だしの90年代後半は、液晶画面が背面に無く、撮ったメモリーカードをパソコンに挿入してやっと確認できるというシロモノだった。「そんな不便な」と思う方は経験不足。当時はフィルムを現像してやっと確認できる状況だったので、数分で結果の分かるデジカメは最先端の機器だった。

◇しばらくすると背面に液晶モニタが装備され、撮影結果を確認するのが当たり前になった。撮影は簡単になったが落とし穴もある。例えば、人によって画像確認で安心してしまって、別のカットを撮らなくなったのだ。フィルム時代だったら、結果がその場で分からないので、とにかく36枚の中に可能な限りいろいろなカットを撮っていたはずだ。「フィルム時代のほうが写真を丁寧に撮っていた」と年配の写真家の大先生は言われる。ただ、その考えも早計で、液晶で確認して更に修正して撮り直せば、絶対にフィルム時代より質の高い写真が撮れる。要するに使い方次第だ。

◇例えば、スピードスケートを撮る場合、AFでピントが追いきれているかなどはデジカメだと直ぐに分かる。フィルムだと1日中撮って、すべてピンボケということもある。結果が直ぐにフィードバックできる点がデジカメの最大の武器だと思う。

◇最近ではモデルや芸能人を撮る場合に、マネージャーが付いてきて、撮影画像の確認を要求されることが多い。液晶画面で見せると大体、「選ぶ中から掲載してください」という流れになってしまう。いちいち事務所の要望を聞いていては、自由な新聞制作が行えない。事務所が良いと思うカットと、新聞制作を行う編集者とでは視点が異なるからだ。大半のカメラマンは「変なカットは使いませんから信用してください」でその場をかわす。ただ、見せることを条件に取材を引き受ける場合もあり、その時は候補の画像をプリントで見せることもある。

◇筆者の流儀は大勢と異なり、要求された場合は、撮ったコマが瞬時に表示されるタブレット端末を見せる。こんなこと行うのは報道関係では珍しいのだが、広告写真では普通に行われていることだ。筆者としては、現場で見せて困ることは皆無でメリットの方が大きい。まず2−3コマ見せるだけで、ちゃんと撮れるカメラマンと直ぐにわかってもらえる。メイクさんがいる場合は、撮影結果をフィードバックして、瞬時にメイクを直してもらえる。別の機会に話したいが、メイクさんは結果が悪いと仕事の依頼が来ないのでカメラマン以上に真剣なのだ。また、モデルさんが見て気に入ってくれて、ノリノリで更に色んなコマを撮らせてもらえることもある。8インチの大きなタブレットに表示するので、画面の隅まで確認できて、筆者としても失敗が少ない。

◇タブレットは扱いが大変なので勧めないが、せっかくデジカメで画像の確認ができるのだから、構図、露出、ホワイトバランス、ピント、ブレを現場で確実に確認するようにして欲しい。特にピントボケやブレで切れの無い写真を撮る人がどれだけ多いことか。その場の雰囲気にのまれてしまい、とにかく撮影に精一杯。そういう人に限って小さく2L版にプリントするだけで、切れの無い写真を撮っている自覚が無い。写真がうまくなる人は、現場で画像確認でフィードバック⇒撮影画像を家で確認しフィードバック⇒他人の画像と比較しフィードバック、という手順を踏んでいる。アマチュアの場合は、何となく撮って、写真審査に出してその結果をフィードバックすることが多いと思うが、それでは時間がかかる。うまくなる人は、現場で瞬時にフィードバックして学習している。もしうまくなりたいならフィードバックの間隔と回数を増やせば良いのだ。そのために液晶画面を使わない手は無い。


相撲は詳しく無いので、写真説明でしこ名や決まり手を間違えない
ようにするのが大変だ。撮影自体はカメラの性能のおかげで、大きく
失敗することは少ない