コラム

見出し 建築写真
更新時間 2018/08/12 名前 よねやん
本文 ◇前回言った写真の学校のワークショップに参加した。今回は「建築写真の撮り方」ということで、竣工直前の一戸建ての家に行って、きれいな部屋や外観を撮るという内容だ。もちろん、先生は一線で活躍する建築写真のカメラマンだ。参加者は10名ほど、ほとんどが駆け出しのカメラマンたちだ。内房線の木更津駅から数キロと東京駅から行くと1時間以上かかる遠い場所で、山手線内側での仕事が7割くらいの筆者にとっては、「物凄く遠い場所」に思えたが、家の撮影は基本的に郊外が普通らしい。

◇建築写真は独特の作法みたいなものがある。

1)レンズは超広角が基本

魚眼ではない超広角の14mmなどを使って空間を撮る。画角が広くなるほど部屋が広く見える。

2)三脚を使ってパンフォーカスで撮る

絞りをF8くらいに絞って、全体にピントの合った写真に。

3)壁や天井、床などを平行、水平に撮る

台形にゆがんだりするときれいに見えない。今は画像処理で後から直せるが、できるだけ現場できっちり撮る。もちろんデジタル水準器を使う。

4)部屋は斜めと正面(正対)から撮るのが基本。カメラの高さは天井高の半分、特に正対の場合はきっちり線対称に撮る

などが基本だが、受講した感想は決まった作法があるものの、人物撮影のように細かいライティングがあるわけではなく、撮影時間もふんだんにあるので「慣れれば比較的撮りやすい」という感想だ。先生は、「2−3時間で撮りきるのは大変」と言われていたが、現場平均滞在時間が30分ほど筆者から見れば「十分な時間がある」という感覚なのだ。

◇写真が好きである程度撮れる人なら、2−3軒の撮影で経験を積めば一定のクォリティの写真が撮れるのではないだろうか?むしろ撮影技術よりも、クライアントとの対応の方が重要な感じだ。撮影依頼は建築会社などからが多く、コスト競争が厳しい業界なので、撮影料金は安く、撮影3時間+移動2時間くらいで1軒を撮って、3万円ももらえれば良いほうみたいだ。また毎日依頼があるわけではないので、建築写真家として食べて行くのは大変だと思う。

◇若いカメラマンが専業でやるというよりも、定年後に年金の足しにアルバイトで撮影するカメラマンなどには絶対お勧めの分野だと思う。重い望遠レンズが不要で、歩き回るわけではなく、覚えてしまえば撮影は比較的楽。プロなら誰が撮っても同じようなカットになる。裏を返せば優劣が付きにくい。

◇最後に、これはプロカメラマンなら誰もが守らねばならぬこと。
「撮影現場の器物を損壊させないこと」
当たり前だが、これを語り出すと終わらないので、またの機会にしよう。


リビングが素敵な家だった。柱や壁がまっすぐになるように気をつける


六本木スタジオに行った。立派な白ホリのスタジオだが、ストロボは持ち込んだクリップオン3灯のみ。