コラム

見出し マネして覚える
更新時間 2019/03/10 名前 よねやん
本文 ◇音楽でも運動でも料理でも最初はうまい人をまねることから始まる。写真でもそうだ。そういう点において東京YPCは写真の学びの場として恵まれていると思う。月例審査会に会員らの写真が並び、審査員が優秀な作品を選びその理由を解説してくれる。当然自分の感じた結果と異なることもあるだろう。その感覚の差を埋める努力をすれば、確実に写真がうまくなるはずだ。我流で努力するよりも上達はずっと早い。

◇ただ、うまい写真を見ることは料理でいうとレシピを見ているようなもので、撮影現場を見ているわけではない。実際にどの時間にカメラを構えて、どの機材で、どの位置からなどが重要だ。初心者の作品を見ると、時間と場所は聞いた通りに行ってバッチリなのに、撮影位置や露出が無茶苦茶で「せっかく撮りに行っているのに」と残念に思うことが多い。そういう場合は、現場でベテランの動きをマネしながら撮ることをお勧めする。プロでも知らない現場に行ったら、まずベテランを見つけて、動向を注視することから始まる。特に地元の祭りなどは何十回も通っているアマチュアにはかなわない。そんな人に余裕があれば話しかけて情報を得るのも良い。一つのことを追いかける写真家ならまだしも、仕事の依頼を受けていろんなものを撮るカメラマンは知らない現場が多いものだ。参考になる情報を得て、さらに別の視点から見たことも無いような作品を作り出すのがプロというものだ。

◇最近では更に撮影の参考になるものがある。無料動画サイトYouTube(ユーチューブ)だ。例えば、キーワード検索で「撮影風景」と入力すると、いろんなジャンルの撮影風景が見られる。ただし注意点は95%位は小遣い稼ぎでYoutubeに投稿しているゴミのような動画で、本物のカメラマンが善意で公開している動画は少ない。「現場でこんな対応するとトラブルになるだろう」と思うような画像も沢山あり、それを「私は一線のプロです」と名乗っている所に違和感がある。

◇現場でうまい人のマネしたり、教わったりするのは上達への近道だと思うが、特に年を重ねた人は、そのアドバイスをまた自分流に解釈して、上達への妨げになることが多い。

◇例えば、筆者は「ポートレートは135mmF1.8か105mmF1.4がきれいですよ」とアドバイスすることがある。特に135mmの画角は使う写真家も少ない見慣れない世界なので面白いと思っている。それを惜しげもなく言っても、一般の人は重いからとか高いからといってマネせずに、「使い慣れているから」「軽いから」とか言って暗いズームレンズで撮ることが多い。それを見て「そんなんじゃうまくなりませんよ」というと、自分を変えるのではなく、「暗いレンズでも綺麗なポートレート」なんて言っている先生に変えてみたりする。

◇本当にうまくなりたいなら、理屈付けは不要で、とにかくマネするところから始まると思うのだが、実践せずに理屈ばかり考えると上達しないと思う。


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