コラム

見出し 大ベテランはどこに行った
更新時間 2019/04/10 名前 よねやん
本文 ◇ここ数年の写真機材の進化は凄まじい。こういうとカメラボディでミラーレスが出て、画素数が上がり、感度が上がり、、と議論が進んでしまうが、むしろボディ周りは進化がスローダウンしたと思っている。ニコンで言うと最新のミラーレスZ7と5年前に出たD810は細かい性能差はあるものの、成果物で見るとそんなに違いは無い。

◇むしろ進化したのはボディ以外のものだ。レンズだとサードパーティの安価で高性能なものが沢山出て、純正にこだわる必要がなくなった。例えばSIGMA製だと、12−24mmF4、14mmF1.8などユニークなスペックのレンズが多く、純正には無い世界が撮れる。性能も純正を上回るものが多い。

◇最も進化を遂げたのはストロボを中心とした照明器具だろう。数年前まではストロボといえば純正がキホン。またスタジオでは百万円ほどするような専用ストロボが当たり前だった。これが最近、高性能で安価な中国製ストロボが出てきて、勢力図が大きく変わった。純正で5万円以上するものが、中国製だと1万円くらいだ。さらに無線制御の機能が付いて、使い始めるとメチャ便利なのだ。もちろん、純正も無線制御できる場合が多いが、高くて使い勝手が悪い。無線の部分では完全に日本は出遅れてしまったと言える。まぁ、無線制御を使うカメラマンは全体で1%にも満たないと思うので、採算に合わないのは理解できるが。

◇さぁ、これからが本題だ。今回のテーマはベテランカメラマンの行方だ。昔のカメラマンだったら、暗室ワークを覚え、カメラの露出や感度を覚え、後は撮影の経験を積めば、経験値によってベテランに成長していくというロードマップが描けた。今は、新しい機材が月替わりで登場するので、それに日々関心を持ち、取り入れていかないと撮影の競争に負けてしまう。経験値にあぐらをかいていてはダメだ。常にコマネズミ状態で、勉強しながら走り続けないと最新の技術を維持できない。昔はベテランは一線を退いても死ぬまでベテランだったが、今は5年もすると知識が陳腐化するのでベテランではなくなってしまう。

答えは
「ベテランは撮り手の先頭を走る人」
ということになる。

◇最新技術の駆使という観点でベテランを定義したが、被写体とのコミュニケーション能力とか撮影の段取りの必要性とか反論も多いことだろう。
◇例えば筆者は、現場で撮影した画像を瞬時にタブレットに表示させて、被写体に撮影の意図を伝えることが多い。タブレットだと直ぐに意思が伝わるので、昔のベテランのように言葉で乗せて撮るなんてことは不要だ。段取りもメールでおこなう。ロケハンもストリートビューで行う。作例もグーグルの画像検索で行う。そう考えると昔のベテランの経験値は最新の技術の習得ですべて補えると思うのだ。逆にそういう知識を駆使するカメラマンの中で抜きん出るのは容易なことでは無い。ベテランであるために「常に勉強」ということだけは不変と言えよう。


皇居乾通りの桜、最近は有名人しか撮らないので
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