見出し | 納品 | |||
更新時間 | 2020/12/28 | 名前 | よねやん | |
本文 | ◇新聞社のカメラマンが写真を納める時は「出稿」とか「入力」とかいうが、相手が別会社の時は「納品」と呼ばれる。
◇先日、省庁の主催するイベントで、依頼されて撮影したが、その場合の撮影データの提出は「納品」となる。 ◇省庁としては、次回開催時のチラシ、報告書、ホームページなどに掲載するらしいので、大まかな流れのポイントを押さえながら150枚ほど選択、レタッチして、次の日に納品したが、そのスピード感に驚いていたようだ。 ◇新聞社的感覚ならば、原則撮ったその日に完結するのが当たり前。会社の画像システムに出稿し、機材を充電して、次の日の準備が終わらない限り帰れない。常に翌日の出動に備えるという感覚なのだが、一般のフリーカメラマンに依頼した場合はデータ整理に3−4日、最終納品が1週間後というのが普通らしい。よって仕事を発注する際には、きっちり納期も決めるとのこと。対する新聞社は即日なので納期を決めることもない。 ◇新聞社は早いかわりに、少し雑になったりするかも知れないが、そこは慣れで、なるべく仕事が早く済むようなフローになっている。例えば撮影時には、ほぼ完ぺきなデータをJPEGで吐き出す。時間のかかるRAWデータで撮ることはめったに無い。 ◇水平をきっちりデジタル水準器で見ながら撮ったり、露出にもかなり気を付ける。 ホワイトバランスもカメラ任せではなく、グレーの板できっちりプリセットする。 アップとロングが必要な場合は、トリミングが必要の無い完璧な画角で撮る。 ◇毎日毎日、脈略もなく仕事が湧いてくるので、さっと仕事を終わらせて帰らないと体がもたないのだ。 ◇あと納品の前に大事なことは、被写体や関係者を安心させ、安定感のあるカメラマンを主張することだ。なんだかウジウジ撮っていて、1週間も納品に待たされ、あげくの果てに写真のできが悪いと、そのカメラマンは試合終了。次から依頼が来ることはない。 ◇私のよくやることはテザー撮影で撮影画像をタブレットで見せながら、周りを安心させるとともに、信頼を得ること。見せると微妙なずれや世界観の違いが分かり、現場で意見を聞きながら軌道修正することもある。 ◇納品の前にサンプルを見せるような感覚だ。そうやると納品時に文句も言われないし、クライアントは安心して納品を待つことができるだろう。 ◇もう一つ納品で大事なことは「絶対期日までに納品すること」。決めた期日は絶対なので、例えば輸送の事故でデータが1日遅れそうな場合は、手持ちで持参するくらいの姿勢が必要だ。カメラマンの仕事は信頼の上に成り立っている。 |